プログラミング教育の必修化に伴い、子どもにプログラミング教室へ通わせる保護者や、家庭で学習を始めている方が急増しています。
そこで、いざ「我が子にもプログラミング教育を…!」と情報収集したとき、”年長さんや小学生がプログラミングを始めるなら、ビジュアルプログラミングがおすすめ”という情報をみた方も多いのではないでしょうか。
ビジュアルプログラミング言語ってよく聞くけど..何?
よく、凄腕プログラマーがコードをガツガツ打ってるけど、あれとは違うの…?
などなど、疑問に思う方も多いはずです。
- そもそも、ビジュアルプログラミング言語って一体何なの?
- 種類がたくさんある「大人向けプログラミング言語」と比べて、どう違うの?どんな点が子どもにとって良いの?
ここでは、ITやプログラミングの知識がない保護者の方に、ビジュアルプログラミング言語について簡単にわかりやすく紹介していきます。
10歳(男の子)と6歳(女の子)の二児のパパ。
職業はフリーランスのプログラマー兼システムエンジニアです。
自分の子供たちに教えるだけでなく、近所の小学生向けにプログラミング教室を経営中。
子供へのプログラム教育経験に基づき、子供のプログラミング教育のリアルな声をお届けします!
ビジュアルプログラミング言語とは
よくドラマや映画でプログラマーが画面いっぱいの文字コードを一心不乱に打つ姿をみかけますが、コードを全く書かずにプログラミングできるのがビジュアルプログラミングの特徴です。
ビジュアルプログラミングは、視覚的・直感的にプログラミングできるプログラムです。
通常プログラマーが仕事で使うプログラミング言語は文字のコードを書いてプログラミングすることに対し、ビジュアルプログラミング言語では、ブロックやパズルなどを組み合わせる感じでプログラミングしていきます。
上級者向けの言語、PythonやJavaScriptとの違いは?
プログラミング言語「Python」や「JavaScript」は、現役プログラマーの実際の仕事現場でバリバリ使われているプログラミング言語です。
ビジュアルプログラミング言語からの応用学習として、子ども向けプログラミング学習でも学習する子もいます。
PythonやJavaScriptなどのプログラミング言語と、ビジュアルプログラミング言語の違いは下記になります。
初めてプログラミング学習する場合 | 就職など将来を見据えて学習する場合 | |
---|---|---|
ビジュアルプログラミング (Scratch,VISCUITなど) | 直感的に操作できるので、プログラミングが初めての子どもでも楽しんで学習できる | 実際の仕事では使われないので、就職には有利にならない |
一般的なプログラミング言語 (Python,JavaScriptなど) | コードの理解や暗記をしなければならず、初心者の子どもには難しい | 仕事で使われるので、就職時に有利になる |
本格的なWebシステムやアプリを開発するには、ビジュアルプログラミング言語は向いていません。
しかし、ビジュアルプログラミング言語からプログラミング学習を始めれば、プログラミング的思考を身につけられ、結果的に効率良くどの言語も学習できるため、非常におすすめだと言われています。
将来プログラマーやゲームクリエイターを目指している子どもは、ビジュアルプログラミング学習の後に、Pythonなどの上級者向けプログラミング言語を勉強することをおすすめします。
プログラミング言語は基本を習得するまで結構難しく時間がかかりますが、細部まで作り込みができますし、就職など将来の活動に有利になります。
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ビジュアルプログラミング学習のメリット
ビジュアルプログラミング言語を学習することで、子どもにとってどんな利点があるのか紹介していきますね。
遊び感覚でプログラミング勉強できる
プログラミング学習を始めるにあたって一番重要なことは「子どもに興味を持ってもらう」ことです。
ビジュアルプログラミング言語は直感的にプログラミングすることができ、作品もゲームなどが中心なので、遊び感覚で勉強することができます。
子どもの興味を惹きつけられ楽しく学べるので、自然と長く続けることができる点が最大のメリットです。
論理的思考を身につけられる
ビジュアルプログラミング言語を勉強することで、論理的思考が身につきます。
プログラムを作る流れは下記のとおりです。
- 作りたいものを決める
- 必要な機能(部品)を考える
- プログラミングをする
- テストする
- ダメだったところを修正する
- 完成させる
ビジュアルプログラミング言語で作品をつくる時も上記と同じ流れで、特に、②③⑤の工程で「論理的な考え」が必要になります。
つまり、ビジュアルプログラミングを学習していれば、自然に論理的に物事を考える習慣がつきます。
論理的思考力は、プログラムを組む以外にも、学校の勉強や将来仕事をする上でも非常に役立つスキルです。
大人が勉強しても効果がある
私の経営するプログラミング教室には、子どものプログラミング学習がきっかけで「親子でプログラミングを学びにきている人」がいます。
最初は、保護者の方はVBA(Excel)を勉強しにきていたのですが、なかなか学習が進みませんでした。
試しに子どもと一緒にビジュアルプログラミング言語を勉強してみて、再度VBAを勉強したら、どんどんマスターできるようになったのです。
これは、前述の「論理的思考」や「プログラミングの基本」が、ビジュアルプログラミングを学ぶことによって自然に身についたからです。
ビジュアルプログラミング言語学習は、子どもから大人まで効率良くプログラミングを学ぶために最適の勉強法です。
ビジュアルプログラミング学習のデメリット
ここまでビジュアルプログラミング学習をおすすめしてきましたが、ビジュアルプログラミング言語だけを勉強する場合、デメリットもあります。
ここでは、デメリット面についても触れておきますね。
就職活動には有利にならない
ビジュアルプログラミング言語学習で論理的思考などを身につけることはできますが、仕事として即戦力で働けるスキルではないので、IT職種の就職活動で有利にはなりません。
前述した通り、プログラマーやゲームクリエイターなど、IT系職業への就職を有利にしたいなら、PythonやJavaScriptなどの現役プログラマーに使われているプログラミング言語を勉強するのがおすすめです。
デバッグなどの検証機能がない
ビジュアルプログラミングには、デバッグ(間違いを探す検証機能)がありません。
目視でエラーや間違いを探さなければならず、これが結構大変なんです…。
ビジュアルプログラミングは簡単に始めることができますが、このデバッグ機能がないため、複雑な作品をつくる際には非常に時間がかかります。
ビジュアルプログラミングの種類
ビジュアルプログラミング言語には、たくさんの種類があります。
「種類が多いから好きなものを選べる」と考えると良い面もありますが、いざ始めるとなると、どの言語を勉強すればいいのか悩んでしまいますよね。
ここからは、現役プログラマーで子ども向けプログラミング教室も運営している筆者が厳選した「おすすめビジュアルプログラミング言語3つ」を紹介していきます。
Scratch (スクラッチ)
Scratch (スクラッチ)は、動作処理が記述されたブロックを組み合わせてプログラムをつくっていく、小学生でも簡単にプログラミングができるソフトです。
例えば「〇〇を端まで歩く」「端に当たると〇度回転する」のようなブロックを組み合わせることで、キャラクターを自働的に動かすことが可能です。
パソコンとインターネットがあれば、今すぐにでも始められますよ。
つくった作品をネット上に公開したり、他の人の作品で遊ぶこともできるため、ゲーム好きの小学生におすすめです。
VISCUIT (ビスケット)
VISCUITは「メガネ」と呼ばれる独自の仕組みでプログラミングします。
ビジュアルプログラミング言語のなかでも人気が高く、小学校のパソコン室などでも触れるように準備されている学校が多いです。
メガネの仕組みには少し慣れが必要にはなりますが、慣れてしまえば非常に楽しくプログラミング学習をすることができます。
スマホアプリ版もあるので、パソコンがないご家庭でも手軽に始められておすすめです。
Code Studio (コードスタジオ)
前述のScratchやVISCUITは聞いたことがある保護者の方も多くても、Code Studio (コードスタジオ)はご存知ない方も多いのではないでしょうか。
Code Studioは、最少4歳から始められる、オンライン型のプログラミング学習サイトです。
アメリカのプログラミング教育現場で使われており、最近は日本でも少しずつ流行ってきています。
Code Studioでは、プログラミング学習用のコースが用意されています。
最初は簡単なマウス操作から学習することができるので、パソコンに初めて触れる子どもにもおすすめです。
少しレベルが上がると、Scratch (スクラッチ)と同じように処理ブロックを組み合わせて、プログラミング学習をすすめていきます。
アナと雪の女王やマインクラフトのキャラを使った課題も用意されているので、うちの子どもに勉強させた時の反応が非常に良かったです。
ブロックを組み合わせてプログラミングしたものを、JavaScriptのコードに変換することもできるので、中学生以上の子どもが勉強することもできます。
ビジュアルプログラミング言語の選び方
う〜ん…。
結局どれで勉強するのがおすすめなんだろう?
ここまでで紹介した3つのビジュアルプログラミング言語。
どの言語にもそれぞれの良さがあって、何を選ぶべきか悩んでしまうママもいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、基本的には、どのビジュアルプログラミング言語で学習しても大きな差はありません。
子どもが抵抗なく楽しみながら学習できるなら、どのビジュアルプログラミング言語で勉強しても大丈夫です。
参考までに私のおすすめを言うと、
- 小学生以上の子どもには、Scratch (スクラッチ)がおすすめ
- 未就学児には、Code Studio (コードスタジオ)がおすすめ
になります。
まとめ|無料なので、まずは触ってみよう
ほとんどのビジュアルプログラミングはパソコンとインターネット環境さえあれば、無料で勉強を始められますので、まずは子どもと一緒に遊びながら学んでみるのがおすすめです。
「子どもの将来に影響するかもしれない…」と考えると、学習対象を慎重に選びたい気持ちも理解できますが、ビジュアルプログラミング言語を始めてみれば、身構えていたことが笑えてくるくらい簡単にゲーム感覚でできる学習です。
まずは「ゲームをつくってみよう!」と気軽に子どもを誘い、ビジュアルプログラミング言語に触れることから始めてみましょう。
ビジュアルプログラミング言語を学習するメリットは非常に大きいですが、保護者が身構えてしまうと、子どもも考えが固くなってしまいます。
最初は他の人の作品などで遊びながら「8割遊び、2割勉強」ぐらいの感じで取り組むのが成功の秘訣ですよ。
他の人の作品で遊ぶだけでなく、少しずつ「どうやって作っているのか?」を子どもと一緒に考えて取り組んでいけば、自然に勉強の割合は増えていきます。
そして、子どもが本格的にプログラミングを勉強したくなったら、徐々にPythonやJavaScriptなどの上級者向け言語へシフトしていけば、抵抗なくプログラミング学習ができておすすめです。
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